脳科学 解説
人間の大脳半球は、左半球と右半球の2つの部分に分けられます。
これらは互いに対称的な構造を持ち、脳の中心を通る縦裂によって分けられています。
左半球は主に言語、論理思考、分析的思考、数学的能力などを司り、
右半球は空間認識、音楽、芸術、感情、直観などを担当します。
両半球は、数百万の神経繊維で構成される脳梁を通じて情報を共有し、連携します。

大脳半球の名称説明画像

大脳半球は前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉の4つの葉の皮質に分類されます。
もう1つ小脳も表示していますが、脳内部には別の構造体があり、表面の脳の神経細胞(ニューロン)と内部の神経細胞とは、軸索と呼ばれるケーブルで連結しています。
 
大脳半球は外側面と内側面があり、その表面上は凹凸のシワ状になっています。
凹凸の凹の部分を溝(こう)、凸の部分を回(かい)と呼んでいます。
 
左右の脳の内側面の中心には、皮質下に脳梁(のうりょう)がありその下に視床などの構造物が存在します。
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人間の脳機能には情動系と呼ばれる働きがあります。
いわゆる感情やそれに伴う生理反応(自律神経反応)を生み出す脳部位です。この領域には、生育家庭のさまざまな感情を記憶したりする扁桃体(へんとうたい)や経験した出来事の記憶に関わる海馬(かいば)などが存在します。 
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最近の脳科学の進展により、「心」という抽象的な概念を、「脳」という具体的な物理的現実として理解することが可能になってきました。これは心の問題を探求する上で画期的な進歩であると感じています。
 
なぜニューロンという物質から主観的な心や精神が生じるのかを理解するためには、“新たな概念”が必要となります。音波を直接見ることはできませんが、声や音楽を聴いてその存在を理解します。同様に、脳の働きを受け入れることで、知覚できない世界を理解する時がくるのかもしれません。
 
"新たな概念"とは、脳の構造と機能、そしてそれがどのようにして私たちの意識や感情、思考などを生み出すのかを理解するための新しい理論やアイデアを指します。これには、神経ネットワークの理解、脳の各部分の役割、神経伝達物質の働き、脳のプラスチシティ(可塑性)など、さまざまなレベルでの新しい知識が含まれます。これらの理解は、人間の心の動きや精神状態を物質的、生物学的な視点から解明し、精神的な問題をより具体的に扱う手助けとなるでしょう。