光の必要性
脳内でセロトニンを十分に作るためには、トリプトファンというアミノ酸とビタミンB6それに太陽光が最低限必要です。
セロトニンを放出する脳幹の縫線核の活動を活発化させるには、2500ルクス以上の光が必要です。
植物も育たない人工の光では、当然明るさが足りません。蛍光灯をつけた部屋では400〜500ルクスしかありません。
ルクスとは照度をあらわす単位で、たとえば、100ルクスといえば、他に光源がない部屋で100ワットの電球を約1.5m(5フィート)離れたところから見た時に目に入る光の量です。
セロトニンの分泌には2500ルクス以上の光が必要だといっても、日光と蛍光灯の光は多くの点で違っています。
スペクトル(光の色)も明るさも違うのでやはり日光を浴びることが理想的なのです。
ちなみに天気が良い日の昼間の光が入る室内は平均で3000ルクスはあります。
朝日を浴びることができれば、天気が良い日の朝日で約10000ルクス、曇りの日中で約10000ルクス(真夏の日中ではその10倍以上)、雨天の日でも約5000ルクスはあります。
脳幹の縫線核は、光を感知する目の網膜と神経がダイレクトにつながっている場所です。
朝起きて、網膜から光の信号が5分以上伝わると、身体を動かすべき時間だと脳が判断します。そうすると、セロトニン神経のインパルスが働きだしてメラトニンをセロトニンに変換し生成量を増やしはじめ、脳は覚醒します。
朝、太陽の光を浴びるようにすると、紫外線や日焼けを気にすることなく日光浴ができてよいでしょう。
真夏には紫外線から目を守るために薄い色のサングラスをかけていてもかまいません。
紫外線が弱い時間帯に15~30分程度で良いのです。
朝太陽光を浴びることは、体内時計のリセットにもなります。いったんリセットされるとその14時間後には快適な眠りに導くメラトニンの分泌が始まります。(セロトニンが変化)
脳に必要な運動
脳と身体は密接に繋がっていて、運動不足は脳の機能低下を引き起こします。運動することで、脳への血流も良くなり、脳の働きも活性化します。
何か問題が生じて悩んでいるときに、部屋の中でじっと考え込まないで、外を歩きながら悩みの解決策を考えてみるとわかります。
深刻に悩んでいたはずなのに、いや悩まなければいけないはずなのに重苦しい気持ちが軽くなってきて、問題が整理されて良い解決策がひらめくものです。
解決策のひらめきがなくても、もう少し様子を見ようとかまあいいかという気分になります。
外を歩くことで、深刻だった気分がだんだんと晴れてくるのは、セロトニン神経の働きが活性化するとセロトニンが十分に放出され、平常心が保たれて適切な判断や思考ができるようになります。セロトニンを作っている脳幹の縫線核は、覚醒時には「1秒に2〜3回」という一定のリズムで、規則的にインパルスを出し脳全体にセロトニンを分泌しています。それを司っているのが、縫線核の中にある「ペースメーカー細胞」です。この細胞に、歩いたり運動したりで、リズムの刺激を与えると脳幹の縫線核が活発化します。それには、激しい運動よりも、疲れない程度のリズム運動が効果的といわれています。段差を作り、そこを上り下りするようなステップ運動など、疲労を残さないような無理のないリズム運動を5分以上続ければ効果的です。歩くより少し早いぐらいのスピードで5分以上ウォーキングすることも推奨されています。
運動することが得意で苦痛がない人や、その逆に、運動という言葉さえも避けたくなるような人もおられるでしょう。
ここでは運動といってもスポーツの競技などの訓練ではなく、単に身体を動かすだけと考えて欲しいのです。
身体を動かして、筋肉に刺激を与え、できればストレッチなどで全身のバランスを取ってやれれば理想的です。
運動をするのが億劫な人は、運動後の快適さを経験上わかってはいてもなかなかやれないものです。
しかし、自分を変え人生を変えるためには、どこかで思い立ち踏ん張らなくてはいけません。
大病を患い、運動して免疫力を高め身体を鍛えなければ寿命が幾ばくも無いと宣告されれば、真剣に取り組めるものでしょうが、そこまで追い詰められなければなかなか持続的な実践ができないものです。
特に、抑うつの精神状態では、運動をしようというような意欲が沸き起こるものではありません。しかしながら、どうにかして運動による筋肉の刺激が必要なのです。
そのために、これまでに説明してきました知識を総動員し、あなたを変えるためのテクニックを駆使してください。
自己暗示CDを作って聞き続けることも、手っ取り早くて効果的です!! 自己暗示CD ≫≫≫
今、少しだけの時間、目を閉じて自分自身の大切さを考えてみてください!!
あなた自身の未来の姿をしっかりと見つめなおしてください!! 自分自身が変わり、満足した未来で生きているイメージを描いてみてください!!
あなたは変わることができるのです!!
そのために必要な努力を惜しまないことです!!
楽しみながら、やる気を持続させる工夫を積極的に行ってみましょう!!
自分を大切にしようと思う気持ちで、必要な運動を一定期間だけでも持続できるものです。