深い眠りを得ることは、私たちの人生に必要です。
私たちの脳は、眠りが奪われると混乱が生じ健全な働きを保てなくなります。
なぜ私たちの生活の中で、眠れない日や眠っている時に夢を見て目が覚めた後に眠れなくなる日があるのでしょうか?
そうした入眠困難や睡眠中の覚醒は、生活環境でのストレスが関係しています。
そうしたストレスによって生じる睡眠障害は、トラウマなども絡んでいる場合もあります。
または、生まれ持った性格によって、ストレス環境に対する受け止め方(情動認知スタイル)が影響します。
睡眠障害を改善する為には、「なぜ眠れないのか?」という精神状態を分析し、原因を解明しなければなりません。
催眠術をかけて、「あなたは眠れるようになる」と暗示を繰り返せば眠れるように変わっていくと思われている方もいるでしょう。
トラウマがらみのストレス環境が原因ではない不眠症の場合はそれも有効でしょうが、残念ながら、人の心はそう単純ではありません。
何らかの無意識領域からの働きかけによる不眠状態は、原因を解明しないままで、催眠暗示によって眠れるように働きかけ押さえつけても、一時的でまた再発してしまうのです。
心の深い所に原因が無い不眠は、頑張って起きておけば翌日には眠れるようになります。
よく医者から「寝ないでも死なないから心配ありませんよ!」と慰められて腹を立てている人にお会いしますが、何らかの原因があって眠れなくなっている人の精神的苦痛はそんなものではありません。
いくら頑張って起きていても、その日の夜に眠れないのです。
いったん眠りに入っても、数時間後に覚醒しその後眠れずに苦しむのです。
不眠の苦しみを知らない人から慰められることほど、腹が立つこともないでしょう・・・。
また、
薬を飲んでの睡眠は、健全な睡眠ではありません。
脳の健康に必要な睡眠時間と質を確保できないのです。
睡眠障害として、眠れない日々が続くと、確実に脳は疲労の回復が出来なくなり、機能障害が起こり始めます。その結果、身体的な体調不良や精神面での混乱が生じてきます。
結果として、脳機能の混乱んが生じて、心の病に至ったりすることになります。
眠れないということは私たちの精神機能に多大な悪影響を及ぼすのです。
私たちの心を作り出している脳は、眠りを必要としています。
眠ることで、脳の休息とともに、覚醒時の様々な情報や記憶の整理などの必要不可欠な脳内の調整がなされています。
眠りといえば、夢が連想されますが、夢を見ている時間(レム睡眠時)やそれ以外のノンレム睡眠の時間は、精神を健全に保つために脳にとって欠かせない重要で必要な時間なのです。