第5章 睡眠の重要性
 

 精神と肉体の健康のために、夜間に十分な睡眠をとることは必要不可欠な行為です。人は、人生の約3分の1を眠って過ごします。それは決して無駄なことではなく、私たちにとって有益かつ重要なことなのです。
 
 なぜ人は眠るのかという問いは、時代によって様々な説明がされてきましたが、現在では、「眠りとは、単に脳が休息している状態ではない」ということが分かってきました。
 
 では、あなたが眠っている間に、脳内ではどのような現象が展開しているのでしょうか。
 
 普段あなたは一晩眠ることで、体調の不調があったとしても、かなり回復して朝を迎えることができるでしょう。怪我をしても日々少しずつ傷は眠っている間に治っていくはずです。脳の疲れや、記憶に残るような嫌な出来事で精神的に参っていても、一晩眠るたびに、目覚めればかなり癒されていることに気づくはずです。ダメージの強い衝撃的な記憶も、日々風化していき「過ぎたこと」として捉えることができるようになるものです。
 
 これは「脳機能が正常であれば」の話です。こうした睡眠時における様々な変化も睡眠中の脳の活動によってなされています。
 
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