第3章 脳の誤作動、心の反映
このように作られた自己像によって、人の視線を受けた時に、自
己の心の反映として、自己否定感が無自覚に起きるようになってい
きます。
長年の精神的ストレス環境によって、脳の機能不全が常態化して、 自分に対する歪められた自己評価の反映が彼女を苦しめ続けていた のです。
自己評価というものは、SAD で苦しんでいる人の場合ネガティ ブなことが特徴といえます。自分自身を否定的に評価してしまう心 の状態が生育過程で形成されていくのです。
これを認知の歪みと表現したり、歪んだ自己評価とも表現したり しますが、“ 歪み” といった表現は適切とはいえないかもしれませ ん。自己像における間違った認知であっても、本人にとっては、生 育歴の中で受け入れた自分の実態であり、別の視点で自己を捉える ことができる環境が与えられなかったのです。それ以外の自己像な ど考えられず、客観的に見ればネガティブでも、本人にとっては、 確信できる自己評価なのです。それゆえに周囲の目を意識した時、 自信のない自己の心が反映し、批判や攻撃を恐れてしまうのです。
彼女は、自分がなぜ現在苦しみ、症状に悩んでいるのかという因 果関係を理解し始めたころ、こんなことも口にされていました。
「今まで、自分一人の努力不足と思っていたのですが、それだけで はないということでしょうか……。良い人間関係を築いたり、人目 を気にせず生活したりできるという感覚がもう分からなくなってい る状態です。でも、治ると思うとそれだけで気持ちが軽くなります。 ありがとうございます」
彼女の自己評価に対する認知の修正を行っていき、傷ついた子供 時代の心を催眠状態で癒していく中で、SAD で苦しんできた人生 の流れの客観的な理解が進み、内在化していた自己評価を修正して もよいのだといった心の変化が生じて、苦しかったSAD から解放 されつつあるころ、以下のメールをいただきました。紹介しておき ます。
「井手先生 お世話になっております。外を歩いている時や電車に 乗っている間の過度な緊張感はほぼなくなり、その状態が定着して きたように思います。気が緩むと少し戻ってしまいそうになること もありますが戻らないように頑張ります。また、夜に5時間以上続 けて眠れるようになりました。あまり気にしてはいませんでした が、今までは3時間以上連続で眠れたことがほとんどなかったので 良かったです」といった嬉しい内容です。
その後のメールも、
「実は、不思議なことに加速的に症状が改善してきまして、身体に 力が入ることもなくなってきて、人と話すことも苦痛ではなくなり、 本当に楽になりました。このまま音声を聴き続けていけば、恐らく 近いうちにほとんど症状が出なくなるのではと思っています。まだ まだ症状の改善には時間がかかると思っていましたので、私自身本 当に驚いています。長年苦しんでいたことが嘘のように視界も明る くなり、今まで何が怖かったのか不思議に思えるようになりました。
先生には本当に感謝しかありません。ありがとうございました(^^)」 との、心から嬉しいご報告でした。
音声と書かれているのは、いつも聞いてもらうために作成した、 催眠暗示の録音のことで、彼女はそれを熱心に聞き続けていました。
このように人は変われるのです。
正しい処置を施し、努力することで、長い年月で変化してしまっ た心(脳の構造及び機能異常)は修正されていきます。諦めること はありません。
脳科学・遺伝学に基づく「催眠療法」の一部を読む サイトマップへ戻る
長年の精神的ストレス環境によって、脳の機能不全が常態化して、 自分に対する歪められた自己評価の反映が彼女を苦しめ続けていた のです。
自己評価というものは、SAD で苦しんでいる人の場合ネガティ ブなことが特徴といえます。自分自身を否定的に評価してしまう心 の状態が生育過程で形成されていくのです。
これを認知の歪みと表現したり、歪んだ自己評価とも表現したり しますが、“ 歪み” といった表現は適切とはいえないかもしれませ ん。自己像における間違った認知であっても、本人にとっては、生 育歴の中で受け入れた自分の実態であり、別の視点で自己を捉える ことができる環境が与えられなかったのです。それ以外の自己像な ど考えられず、客観的に見ればネガティブでも、本人にとっては、 確信できる自己評価なのです。それゆえに周囲の目を意識した時、 自信のない自己の心が反映し、批判や攻撃を恐れてしまうのです。
彼女は、自分がなぜ現在苦しみ、症状に悩んでいるのかという因 果関係を理解し始めたころ、こんなことも口にされていました。
「今まで、自分一人の努力不足と思っていたのですが、それだけで はないということでしょうか……。良い人間関係を築いたり、人目 を気にせず生活したりできるという感覚がもう分からなくなってい る状態です。でも、治ると思うとそれだけで気持ちが軽くなります。 ありがとうございます」
彼女の自己評価に対する認知の修正を行っていき、傷ついた子供 時代の心を催眠状態で癒していく中で、SAD で苦しんできた人生 の流れの客観的な理解が進み、内在化していた自己評価を修正して もよいのだといった心の変化が生じて、苦しかったSAD から解放 されつつあるころ、以下のメールをいただきました。紹介しておき ます。
「井手先生 お世話になっております。外を歩いている時や電車に 乗っている間の過度な緊張感はほぼなくなり、その状態が定着して きたように思います。気が緩むと少し戻ってしまいそうになること もありますが戻らないように頑張ります。また、夜に5時間以上続 けて眠れるようになりました。あまり気にしてはいませんでした が、今までは3時間以上連続で眠れたことがほとんどなかったので 良かったです」といった嬉しい内容です。
その後のメールも、
「実は、不思議なことに加速的に症状が改善してきまして、身体に 力が入ることもなくなってきて、人と話すことも苦痛ではなくなり、 本当に楽になりました。このまま音声を聴き続けていけば、恐らく 近いうちにほとんど症状が出なくなるのではと思っています。まだ まだ症状の改善には時間がかかると思っていましたので、私自身本 当に驚いています。長年苦しんでいたことが嘘のように視界も明る くなり、今まで何が怖かったのか不思議に思えるようになりました。
先生には本当に感謝しかありません。ありがとうございました(^^)」 との、心から嬉しいご報告でした。

音声と書かれているのは、いつも聞いてもらうために作成した、 催眠暗示の録音のことで、彼女はそれを熱心に聞き続けていました。
このように人は変われるのです。
正しい処置を施し、努力することで、長い年月で変化してしまっ た心(脳の構造及び機能異常)は修正されていきます。諦めること はありません。
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