脳科学・遺伝学に基づく「催眠療法」に関連した補足解説

エピジェネティクス P.241〜244

 
エピジェネティクスの研究は、長期的な精神的苦痛やトラウマが、親から子へと「遺伝的にではなくエピジェネティックに」影響を与える可能性について、さまざまな側面で進められています。
 
エピジェネティックな変化は、環境や生活習慣、ストレスなどによって発生する可能性があり、その影響は時に次の世代にも継承されることが分かってきました。特に精神的ストレスや虐待が継続的にあった場合、それが影響を与えるエピジェネティックなメカニズムについて解説します。
 
重要なことは、
催眠療法(心理療法、認知の修正)やストレスマネジメント技術が、過去に起こった、または世代間伝達されたエピジェネティックな変化を元に戻せるような影響を与える可能性もあるのです。
 
エピジェネティクな変化
DNAメチル化: ストレスや虐待が体験された際に、特定の遺伝子領域のDNAメチル化が増加する可能性があります。メチル化が増加すると、該当する遺伝子の発現が抑制される場合があります。
 
ヒストン修飾: ヒストンと呼ばれるタンパク質が修飾され、その結果として遺伝子の構造が変わり、発現が変動することがあります。
 
RNAインターフェアランス: 小さなRNA分子が遺伝子発現を調節する場合もあります。
 
これらのエピジェネティックな変化は、生殖細胞(卵子や精子)にも影響を与える場合があり、その結果として次の世代にも継承される可能性があります。しかし、このようなメカニズムは非常に複雑で、全てのケースで同じように働くわけではありません。さらに、次の世代に継承されるかどうかも環境やその他の多くの要因に依存します。
 
世代間での影響
エピジェネティック・マーキング: 精神的ストレスや虐待が経験された場合、特定の遺伝子がエピジェネティックに「マーク」される可能性があります。これは主にDNAのメチル化、ヒストン修飾などによって行われます。
 
ゲルムラインへの影響: 極端なケースでは、このようなエピジェネティックなマーキングがゲルムライン(精子や卵子)まで影響を及ぼす可能性があります。これが起こると、次世代への影響が考えられます。
 
ラットでの研究: 精神的ストレスが世代間で影響を与える実験的証拠は、主にラットを用いた研究で報告されています。ストレスを受けたラットが、その子供や孫にも行動的・生理的な影響を与えたという研究結果がいくつか存在します。
 
逆転可能性
プラスチシティ: エピジェネティックな変化は、環境や行動、薬物治療によって一定程度「逆転」する可能性があります。
 
メチル化の逆転: 例として、遺伝子がメチル化されてその活性が抑制されていた場合、特定の環境改善や薬物治療によってこのメチル化が取り除かれ、遺伝子の活性が回復することがあります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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脳科学・遺伝学に基づく「催眠療法」補足解説 マインド・サイエンス独自の催眠療法