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摂食障害:再発の心理的背景

 
幼少期からの親への抗議が摂食障害の背景にある場合(愛着障害)や、その他の精神的トラウマが背景にある場合などは、治療後に再発する可能性が高いのです。その理由は、現状においてそうした抗議の感情やトラウマが解消して持続していなくても、その過去の環境で形成された深い心理的問題、特に自己否定感や低い自己評価、社会生活の不適応感に起因して再発することがあります。

一度長期間にわたって経験された情動反応(感情)は、情動記憶に深く刻まれます。これらの感情に伴う記憶や行動は、脳の情動回路に永続的な影響を与えることになります。
このような情動回路の変化に対処するためには、未解決の原因を特定し対処することが重要です。
加えて、催眠療法などの心理療法が情動回路を修正し、より健康的な感情的反応を促進するのに効果的であることが示されています。

 
 この後、過去の環境で形成された深い心理的問題を解説します。
 
根深い自己否定感: 子供時代に親への抗議として摂食障害の行動を取った人々は、しばしば深く根付いた自己否定感を持っています。これは成人期に入っても持続し、ストレスの多い状況で再び表面化することがあります。
 
低い自己評価: 自己評価の低さは摂食障害の重要な要因であり、過去の家庭環境から引き継がれることが多いのです。社会生活の中での失敗や挫折を自己価値の低さと関連付けることで、再び摂食障害の行動に戻ることがあります。
 
社会生活の不適応: 子供時代の家庭環境が社会的スキルの発達に影響を与えることがあり、成人期に社会的な環境に適応するのが難しくなることがあります。これはストレスや不安を引き起こし、摂食障害の再発につながることがあります。
 
再発のストレスや感情的なトリガー: 日常生活のストレスや感情的な出来事が、過去の摂食障害の行動への回帰を引き起こすことがあります。
また、新たな対人関係での困難や対立が、過去の感情的な傷を刺激し、再び摂食障害の行動に頼ることがあります。
 
摂食障害は、単に食事に関する問題ではなく、深い心理的な問題を反映しています。治療が一旦成功しても、これらの根本的な問題が完全に解決されていない場合、特にストレスの多い状況や感情的な困難に直面した時に再発する可能性があります。したがって、摂食障害の治療と回復過程では、これらの根底にある問題に対処することが重要です。
 
 
「深く根付いた自己否定感」は日常生活の様々な面で影響を及ぼすことがあり、人間関係における具体的な振る舞いや感情の処理に影響を与えます。この自己否定感がどのように現れ、ストレスとなり再発の引き金になる可能性があるかを詳しく説明します。
 
自己否定感の具体的な現れ方
 
過剰な遠慮や自己抑制: 自己否定感が強い人は、他人との関わりにおいて自分のニーズや感情を過剰に抑える傾向があります。これは、他人を優先し自己の意見や要望を後回しにする行動に現れることがあります。
 
自己主張の困難: このような人々は、自己主張することが難しいと感じることが多く、自分の意見や感情を表明するのに苦労することがあります。これは、自分の考えや欲求を重要でないと考える傾向から来るものです。
 
人間関係における不安: 深い自己否定感を抱える人は、他人との関係において不安や恐れを感じることがあります。他人に受け入れられない、拒絶されるという恐れから、関係を避けたり、過剰に適応しようと努力することがあります。
 
孤立と撤退: このような不安や恐れは、人との関わりを避け、孤立してしまうことにつながることがあります。これは、対人関係での失敗や拒絶を避けるための無意識の防御機制です。
 
再発への影響
 
ストレスの蓄積: 上記のような人間関係の困難は、ストレスを蓄積する原因となります。特に対人関係での不安や孤立感は、感情的なストレスの大きな源泉となることがあります。
 
再発の引き金: このようなストレスや感情的な困難は、摂食障害の再発の引き金となり、特に、摂食障害の過去の行動が感情的なコントロールの手段として機能していた経験から、ストレスや不安が高まると、再びその行動に戻ります。
 
深く根付いた自己否定感は、日常生活の多くの側面に影響を及ぼし、特に人間関係において顕著な影響を示すことが多いのです。これらの影響は、心理的なストレスを増大させ、摂食障害の再発のリスクを高める可能性があります。
したがって、このような深い心理的問題に対処すること(催眠療法によって過去を清算すること)が、長期的な回復には不可欠なのです。

 
 
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