第2章 母親からの愛情
 
 子供は母親から生まれ、母親に愛されたいと求めます。
 しかし、子供がどんなに求めても、それが満たされないケースもあります。

 社会進出している母親は、自分の仕事の問題や人生の問題を抱えて精神的に余裕がない場合もあり、十分に子供の求めに対応できないことも多いのです。

 また、専業主婦であっても、姑や親戚付き合いに負担を抱えている場合もあったり、一人での育児に疲れていたり事情は様々です。

 どちらにしても、母親も一人の人間であって、悩みを抱えてしまうことや現状に対し不平不満を抱くこともあって当然です。

 したがって、母親自身も精神的な支えなどの必要に応じた適切な精神的援助が必要だといえます。そうした支えがなければ、子育ての際に子供の気持ちに寄り添った理想的な子育てはなかなか難しくなります。

 しかし、育児や子育てに何らかの問題があった場合、子供の心(=脳)では様々なトラウマが形成され、成長後の人生を左右するほどの大きな影響を与えてしまう可能性があります。
 両親がどのような精神状態と環境のもとで子育てをしていたかによって、明らかに子供の成長後の対人関係や生き方に大きな影響を及ぼしてしまいます。

 子供にとって、母親との死別や離別などの特殊なケースでない限り、母親の存在は大きいのです。
 母親が目の前に存在している限り、家庭内で祖父母にどんなに大切に育てられていても、子供の心は実の母親を求め続けて、母親以外の養育者では十分に満たされることがありません。

 
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