心の病と表現される様々な症状は非常に多岐に渡って存在します。
そうした全ての症状を発生しているメカニズムは解明されていないのが現状です。
それゆえに、いろんな薬を試しながら、どの薬を与えると症状が軽減するかの試行錯誤がなされています。それが今病院で行われている薬物療法です。
今あなたが悩んでいる症状が、まれなものであったとしても、深刻に悩まれる前に、無理だと諦めてしまわれる前に、心の本質の改善を試みられることをお勧めします。
症状がひどい時は、薬物療法によって一時的に症状を抑える必要があります。しかし、薬物では症状を作り出した心理的原因を改善することは無理なのです。心理的原因(トラウマなど)が弱い場合はもちろん薬だけで回復していきますが、そうではない場合は、どうしても精神面への働きかけを行い認知の修正などを行う必要があります。
そうした過程を経ずに、症状派の対症療法として投薬量を増やしていくと、だんだんと厄介な事態に陥っていくことがあります。
どのような種類の心の病も、背景には、生まれ持った性格的傾向と生育環境によって、様々な心的葛藤が生じて、認知の傾向に生じた歪みや過剰な精神的ストレスなどによって、脳内の働きが混乱することによって生じているといえるでしょう。
脳内の神経細胞の機能異常によって、神経伝達物質のバランスが崩れたり混乱した思考や感情が静まらずにますます悪化させていきます。
そうした脳機能の異常を体験していくうちに、「どうなっていくのだろうという不安感」がますます症状を進行させていきます。
また、脳に影響を与える薬を飲むことの弊害も無視できません。
薬を多少なりとも飲むということは、その薬の薬効によって、個人差によりますが、意図せぬ弊害(副作用が)生じることが多いのです。
ひどい場合は、うつ状態の改善の為に、意欲を高める薬を飲んでいても、薬を服用した後にすぐに寝ないことで変に意欲が出て深夜までパソコンを扱うことによって昼夜逆転の生活になってしまい、社会復帰が出来ないと悩むことで自殺を考え始めたりというケースも良くあります。
また多くの服薬によって、寝ていても薬の分解が間に合わずに、いったん眠ると薬効に押さえつけられるように眠らされてしまい起きられなくなったり、無理に起きていても頭の働きが低下してしまい、だんだんと社会復帰の自信を失っていくことが多くあります。
これまで、統合失調症と診断されて投薬が続いている相談者が治っていった経緯として、まず、発症当時のトラウマの内容や精神的な葛藤を作り出した因果関係を明確にする心理療法を行いながら、改善の状況に応じて、主治医と相談してもらい薬を減らしていくことで、治らないと諦めていた統合失調症が治っていきました。家族の方に「やっと我が家に春が来た」と喜ばれます。
薬を減らす為には、適切な心理療法を含めた催眠療法が必要です。なぜなら、長期にわたり形成された認知の歪みを修正することが必要なのです。
その時に無意識(情動)に働きかける”催眠性暗示”は非常に役立ちます。